Talk w/z フランク重虎(VALKILLY)&KIRIA【8】

【8】バブル時代、その時sugiuraは・『巻戻し』って何を巻くの?

しかもドラムに「森高千里を呼びたい」って言って(笑)(miqui)

sugiura: そうそう。中学生か高校1年生のときに、とにかくどこかに(音源を)送ってみようと思って。送ったら、「チューニングが合ってないです」って言われて。でも「チューニングが合ってないです」って(返事が)返ってくるところがすごいですよね。
KIRIA: 結構すごいですよね。見込まれてますよね。
miqui: で、それからおじさんが来るようになったんでしょ?スタジオに。
フランク重虎: へぇ!
sugiura: そう。バブル以前の話だったから、二万円とか置いていくんですよ。で、それでもうスタジオの中でラーメン食ったりして豪遊して。
miqui: 豪遊って…(笑)
フランク重虎: バブル体験されてるっていうのが本当に羨ましいですよ。
KIRIA: そっかぁ。
miqui: そこだぁ!(笑)
フランク重虎: ギリギリ逃してますからね。
miqui: あぁ!
sugiura: ギリギリそこにいたから、一応メジャーデビューしたことがあって。でもそういう時代だったっていうのがあって。やっていれば、必ずたどり着けた時代だったかもしれないですね。
miqui: 時代的に?
sugiura: 当時、hideさんが好きだったんですよ。で、当時hideさんがやってたバンドのチロリンっていうベーシストがいるんですけど、その人が僕は好きだって言ったら、「じゃあ呼ぼう!」みたいな話になって。
フランク重虎: バブルですね(笑)
KIRIA: すごーい!
sugiura: めっちゃバブルで。
miqui: しかもドラムに「森高千里を呼びたい」って言って(笑)
フランク重虎: すげぇ!
KIRIA: 神神!(笑)
フランク重虎: バブルですね!(笑)
miqui: バブルとかっていうよりも、なぜ森高さんなの?っていう突っ込みどころじゃん?(笑)
sugiura: 当時のA&Rとかはなんでか知らないけど予算持ってて。多分**(万円)くらいで呼べるっていう話になって。結局ポシャったんですけどね。

A&R:A&R(エーアンドアール)はArtist and Repertoire(アーティスト・アンド・レパートリー)の略。レコード会社の職務。またはそれを担当する人のことをいう。アーティストの発掘から、育成を行ない、そのアーティストに合った楽曲内容を考えたり、契約業務、制作などの全てを担当する人のこと。

miqui: それはさすがにないだろうと(笑)
sugiura: ないだろうと。でも多分、俺達と同い年くらいで、同じように普通にがんばっていれば、誰でもそうなれたんだろうと思うんですよ。
miqui: そういう時代だったんだね。
KIRIA: 変わるんですね、メジャーシーンも。
sugiura: 逆に言うと…でも今は、個人というか、フリーの人間の音源がどこへでも飛び立っていけるという意味では(いい)。昔はそれができなかったから。例えば音源を作るといっても、ヨンパチのあるスタジオに行かなければいけなかったし。絶対にやろうと思えば、3曲やっても200~300万かかったし。
KIRIA: そんなにかかってたんだ。へぇ。
sugiura: それが今、家でも出来るっていうすごさはあるんですよね。
KIRIA: 確かに誰でも…ニコ動からデビューする人いますもんね。ああいうのすごいですよ、ほんと。
フランク重虎: その点(KIRIAは)アナログなやり方を経験してるから、見込みはありますよね。
miqui: ほんと思う!
フランク重虎: 今のヤツらはありがたみが分からないから。
KIRIA: 感動しましたから、ほんとに。
miqui: その感動が大事ですよね。
KIRIA: ヘッドフォンがステレオになったときに感動しましたからね(笑)
miqui: そこだよねでも!(笑)そこだよ!(笑)
フランク重虎: 孤島にいたとしか思えないよ(笑)
KIRIA: 完璧孤島かと思ったもん、ほんとに!
miqui: ラジオ持ってます!みたいな(笑)

ラジオ持ってます!:映画「マインドゲーム」の名ゼリフ。長い間世の中から離れて生活していた人間が、久々に人間を見つけたときに発した言葉。

フランク重虎: そこに心打たれましたから。この苦労をしてる若い子はいない!と思って。
KIRIA: 孤立無援でしたからね、もう。
sugiura: 確かに。
フランク重虎: 偉い!と思って。
sugiura: (僕らは)常に痛感せざるを得ない時代だったですよね。
KIRIA: イヤでも。
フランク重虎: イヤでも!ですよね。
sugiura: ピッチシフターとかが、個人で出来ることではなかったですからね。

ピッチシフター:入力された信号の音程を任意に変更させるエフェクター。主に、ボーカルのデータを直すのに使われる。音痴な人の歌を上手に聞こえるように直すことができる。

フランク重虎: 単純に録音したやつを、あとで順番入れ替えることすら、もう全然大変な時代でしたからね。
sugiura: 確かに確かに。
フランク重虎: ノンリニアってだけでも大変だったですよね。

ノンリニア:時系列を自由に入れ替えて、切り張りが行なえる編集システムのこと。

sugiura: CDのコンバートすらできないですからね。
フランク重虎: そうなんですよね。そうそうそう。
KIRIA: へぇ~すごい。
フランク重虎: でも何も出来ないなんて思わず、当たり前だからやってたんですけどね。その、あるものだけで。

それで録って、巻き戻しして…今「巻き戻し」ってナンだ?って話!(笑)(sugiura)

miqui: あぁ、そっか。そうだよね。だからそうだよね。(KIRIAさんが)あるものでっていうのは、
KIRIA: 無知すぎて「あるものしかない」「知らなかった」っていうのだから。
フランク重虎: 中学生の時、MTR買えなかったんですよ。ある程度の値段するので。だからラジカセの、イレースヘッドの回線切って、そこにスイッチを入れて、でイレースヘッドを通さないでもう一回録音すると、前の音が消えないので、そのままかぶるじゃないですか。
miqui: えぇぇぇぇっ!すごい!頭いい!
sugiura: オレ、ダブルカセットでやってた。
フランク重虎: あ!ピンポンでした?
sugiura: そうそう。
フランク重虎: あー!なるほどなるほど(笑)
sugiura: やっぱ4chのMTR持ってて。それで録って、巻き戻しして…今「巻き戻し」ってナンだ?って話!(笑)
フランク重虎: そう!
全員: (笑)
フランク重虎: 巻き戻しってなんなんだって話ですよね(笑)
miqui: 巻いて戻すんだもんね(笑)
フランク重虎: 巻くものがある!っていう(笑)巻くものねぇじゃん!何巻くの?っていう(笑)
sugiura: 死語なのかな?ひょっとしたら。
フランク重虎: 巻き戻しって今無いから!
KIRIA: ないないない!(笑)
miqui: (爆笑)
フランク重虎: 早送りはありますけどね。
KIRIA: それウケるなぁ!
miqui: (爆笑)
フランク重虎: 今巻くものないですからね(笑)
sugiura: ほんとにほんとに!ガーっと巻き戻すのよ。ポチっと押して(真顔)
KIRIA: はぁ…
フランク重虎: でもそうでしたよね。
KIRIA: 巻き戻し!ちょっとウケる今のは!(笑)全然見ないもん。
フランク重虎: 録音するときはもちろん、最初のクリーニング部分は送るんですよね。
miqui: あ、透明のところね(笑)
フランク重虎: そうそう透明のところ(笑)
sugiura: もちろんもちろん。
KIRIA: すごいなぁ。便利になりましたよね、そう考えると。
miqui: ほんと!(笑)
フランク重虎: 透明のところを送って、セットして、カウンターをゼロにする。
miqui: そうそう、カウンター…ゼロ!(笑)
フランク重虎: カウンター…ゼロ!
miqui: やばいっ!(抱腹絶倒)
sugiura: それが当たり前になってるから、結局それのプロがいるじゃないですか。人に任せるというのが前提にあったんで、ようするに自分がパソコンを覚えて、DTMを覚えるのが自分はイヤだったんですよ。やりたくなくて。それはマニピュレーターがやることじゃん!みたいな。ようするに餅は餅屋なんじゃないかっていう。

マニピュレーター:作曲家(コンポーザー)の作った楽曲を、パソコンを使ってデータ化していく際に、プログラミングを専門で行なう技術者のこと。

miqui: バブルだよね。自分がやる!っていうんじゃなくて、出来る人をお金で雇ってっていう。
KIRIA: ああ…
sugiura: でもそれが当たり前だったんですよ。
フランク重虎: 機材的にも敷居が高かったですからね。
miqui: スタジオとかね。

今気付いた。ゼロに戻るってスゲェことなんだって。(フランク重虎)

フランク重虎: だってそんなの…さっきのカウンターの話だったら、ゼロに巻き戻したつもりでも、ゼロがこうなってる(ずれてる)ときあるじゃないですか。
全員: (笑)
フランク重虎: ギッって(ボタン)押したんだけど、カシャって(カウンターが)戻るんだけど、ゼロがこうなってる(ずれてる)…
KIRIA: ちょっとずれてるみたいな(笑)
フランク重虎: あれが気になって気になって…
KIRIA: 半分だけゼロが出てるみたいな感じでしょ?
フランク重虎: 昔はゼロに戻すことすら難しかった!っていう。
全員: (笑)
フランク重虎: カチャっ、カチャっ(ゼロに戻すボタンを押してる音の表現)て。やりましたよね?
全員: (笑)
sugiura: やりましたよー。散々やりましたね。
フランク重虎: 今ならスペースキー一発でゼロに戻ること時点でスゴイ!っていう。
miqui: そうだね、ほんとだよ(笑)
フランク重虎: そんだけでありがたみを感じなければいけない。
KIRIA: 文明の発達ですよ。
フランク重虎: 文明文明。今気付いた。ゼロに戻るってスゲェことなんだって。
KIRIA: 当たり前にしちゃいけないって。
フランク重虎: 当たり前にしちゃいけない。
sugiura: でも巻き戻しを知らない、衝撃!
miqui: 何を巻くの?っていう(笑)
KIRIA: テープか!みたいな(笑)
全員: …(笑)
miqui: そうだね。感謝しなきゃね。
フランク重虎: ある意味、そういうのを思い出させてくれる。(KIRIAから)学ぶことが多いんですよ、逆に。無知なだけに。
miqui: なるほどなるほど。

【9】「歌うしかない」~ボーカリストの苦悩~へ続く…2011/8/13公開予定


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