Heinrich Von Ofterdingen×Spectral GENE Special Site

楽曲解説

特定使用

#005♪超虹彩 〜タイトル画面/bpm140

オープニング直後のタイトル画面で流れる、ストリングスの可憐なメロディ。
力強い7人編成の打楽器、後半から入る繊細で伸びのある多重ヴォーカルが、ジーンの世界へと心地よくいざなう。

ジーンの製作に入る前から、デモとして存在していたのですが、タイトル画面に採用されることになり、ほぼ作り直しました。最初はインストでいく予定でしたが、ちょっと歌をはめてみたらかっこよかったので、ヴォーカルを8人分オーバーダブしました。
常に、杉浦師からメロを訊いて、それに詞を乗せていきます。今回はレスポンスの速さ(即興性)を求められましたので、オリジナル辞書を持参し、そこからいくつかの単語をピックアップ(この作業は杉浦師がすすんでやってくれました)。歌ってみてかっこよければオッケー。辞書内の単語は私が『歌いたい言葉』を辞書にしたものなので、どれがきても良いのです。

#006♪ネバーランド 〜OPテロップ/bpm85

優美なピアノから、流れるようにリズムイン。
こちらも優雅なストリングスが入り、奥行きのある世界感と潤いを帯びた期待を表現している。

完全にZEPの[RAIN SONG]なのですが、それは気が付かないことにしといてください。(僕は作った後に気が付いてしまいました。)フィールドの広大さをイメージしつつ、メジャーとマイナーが交互に来る、どことなく切ない感じが好きです。
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SLG画面

#007♪カイン軍 〜カイン軍テーマ/bpm135

軽快なリズムとバグパイプのメロディラインが印象的。
カインの誠実なイメージにぴったりなこの楽曲は、後にヴォーカルが入ったバージョンが作られ、
エンディング『銀星クリスタカレイド』になった。

この曲はかなり初期の段階でデモができており、バグパイプをモチーフとしています。楽曲自体は僅か5分で書いた曲なので、こんなに重要な曲になるとは思ってもみませんでした。さらに、このメロディーで『銀星クリスタカレイド』が生まれました。「インストもの」から「歌もの」へ転換するという珍しい展開です。

#008♪ファウザー軍 〜ファウザー軍のテーマ/bpm110

ダイナミックなメロディと混ざり合う、怪しげでストイックなイメージ。
魔族を統率しながらも、情の深さを持ったファウザーの眼差しを感じさせる。

バンゲリスの『ブレードランナー』のエンディング曲のような「何かこれから事件がありそうな予感」を目指しました。さらにもう一つのエッセンスとして、東南アジア系の民族楽器を付け加えました。こうした異文化マテリアルを融合させる手法は『パトレイバー2』などに見られる川井憲次さんの楽曲のようです。なかなか怪しくて気に入っています。

#009♪トスカ盗賊団 〜トスカ盗賊団テーマ/bpm126

華やかな管楽器が賑わう、鮮やかにはじけた姉御ナンバー。トスカ盗賊団のブライトでポップなカラーにとけあい、彩りあう。

当初、この楽曲も「ルパン三世」や「青の6号」のようなクールなビッグバンド風の曲にする予定でしたが、トランペットのフォール(ベンド)を入れた途端、コミカルになり、志村けんの「だいじょぶだぁ〜」にしか聴こえなくなって困りました。しかしそのコミカルさがトスカの性格に非常にあっていると思います。

#010♪真エムニート 〜真エムニートテーマ/bpm130

軽やかなサックスが奏でるメロディは躍動感に溢れ、爽快な気分に。
ジュレイの大胆不敵さと快活さを編みこんだ、風に靡くようなチューン。

サックスを軸に、まさにルパンっぽい楽曲を目指しました。比較的前半に作った曲なので、元気、且つ、オシャレに仕上がっていると思います。

#011♪王立騎士団 〜王立騎士団テーマ/bpm110

高貴で実直。管楽器のコンサバティブな音たちは、ルナカン率いる精悍な騎士団の表情を彷彿させる。

この曲は実は何度も作り直していて、最後の最後までメロがあがらなかった楽曲の一つです。最初からラッパでいこうとは決めていたのですが、とにかく書けなかった。しかし、ある夜スタジオでうどんを喰っているとき、瞬間的にメロが浮かび、眠いのを我慢して打ち込んだ記憶があります。

#012♪暁の天魔団 〜暁の天魔団テーマ/bpm115

大人っぽいジャズナンバー。リーダー、トール少年の若くして大人顔負けの剛胆さをうまく醸し出している。

US3などのアシッドジャズのような、アンニュイな雰囲気で作りました。本作中、唯一ブラックっぽいサウンドかもしれません。


#013♪冥界軍 〜冥界軍テーマ/bpm120

妖しげな打楽器の音色と、ソリッドなビート。ジャンビヤの冷酷さがそのまま映し出された、煙が立ち込めるようなサウンド。

この曲は「『青い花(ハインリヒの別名ユニット、スペクトラルソウルズ2の主題歌を担当)』のような、暗くて民族っぽい曲」と中村さん(キャラクターデザイン)のオファーもあり、イケイケな感じで割と短時間で仕上げました。まさに異教徒が侵攻してくるイメージです。サウンドトラックヴァージョンには、アトモスフィア(ソフトシンセ)の怪しいコーラスを入れる予定です。
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戦闘用

#014♪招かざるモノ 〜通常戦闘/bpm160

ストリングスからオーケストラヒットで繰り返し表現される、70年代ロックを彷彿とさせるメロディライン。
後半のブレイクからの冷静なフレーズが、逆に戦闘によって熱を帯びているプレイヤーを別角度から刺激する。

かなり初期の段階でアレンジが終わっていました。やはりバトル曲というと、ダイナミックなオーケストラか、ハードロックの曲をぱっとイメージしてしまいます。今回は後者をとりました。レッドツェッペリン風のリフが「これでもか」というくらい詰めこんであります。

#015♪一縷のキラメキ-Hast du Angst?- 〜残り2ターン/bpm190

優しく、それでいて怪しげな多重ヴォーカルからイン。重なるように入るストリングス。ドラムの軽快なリズムが爽快感へと導く。
さらに加わるギター、バッキングには繊細なアコースティックギターが入り、絶妙な望郷感を醸し出している。

一日でレコーディングしました。とにかく好き放題やっています。いろいろオーバーダブしているうちに、かなりでかいスケールになり、自分でも気に入っています。エレキはC#ダウンチューニングにしています。さらに12弦アコースティックギターのバッキングをダブしています。夕方にはギターパートの録音が終わってしまい、時間が余ったので、さらにコーラスも足してみました。歌詞はドイツ語のようです。いずれ明らかになるでしょう。
独逸語です。やはり戦いといえば独逸でしょう。というより、今回戦いの曲に独逸語を多用したのにはいくつか理由があります。『楽曲の整合性』『セリフの日本語と被らないようにするため』もありますが、一番心がけたのは『プレイヤへ過度の情報を与えない』ということ。何を言っているのかわからない。主張しすぎず、協調性を持たせる。そしてジーンの世界観へうまく溶け込むこと。歌詞の意味はちゃんと考え、選抜しました(念のため)。戦っているのに「おめでとう〜」なんて歌われてたら厭ですものね。(あ、でもそれも面白いか?w)

#016♪討伐戦-Alles Gute- 〜討伐戦/bpm180

穏やかなインから、焦燥感に誘う細やかなリズムを織り成すオーケストラ。そこに編みこまれ繰り返される多重コーラス。
ブレイクで入るピアノのソロが危うげで切ない。後半の管楽器の音色がさらに盛り上げる。

ジーンのPVでも使われている曲です。レコーディングに入る前にMIDIが終わっていたので、比較的、楽に作業が終わりました。とにかくバトル系の曲はかっこよく、というのがテーマだったので、自分なりのかっこいいオーケストレーションを叩き込みました。アップテンポなオケにコーラス、それに一瞬静寂のピアノが出てくるのがポイントです。
「勇ましい感じで」というオファは杉師から。適当に(いい意味で)フレーズを並べる。繰り返し、そしてブレイク前のロングトーン。そのぐらいしか変化のないメロだったので、案外楽に作業できました。お尻しか単語変えてないし。でもその繰り返しが非常に効果的だったりするのです。「どうしてここだけが変わるのか」と部分的に焦点を当てさせる、最も有効的な手段です。それもこれもフィールド(楽曲)があってこそ。またその楽曲(オケ)が今回のようにゴージャスに変化するものである場合にのみ可能です。そうでなければ聴き手(私含め)は飽きてしまうでしょう。

#017♪Cantata Reigen-Borgen 〜ラストバトル/bpm160

降りてくるピアノのメロディ、ダイナミックな弦楽器、管楽器の軽快な音色。
リズムインから多重コーラスのメロディラインが複雑に変化し、ひとつのドラマが繰り広げられている。
カインの思想、彼の戦いに相応しく、今までのバトル曲にはない『爽快感』と『優しさ』を伴った楽曲に仕上がっている。

レコーディングに入る前、MIDIだけで6日かけたにも関わらず、完成せず。レコーディングに入ってからもちょくちょく曲を書いていきました。とにかくボリュームのある曲なので、ある程度時間がかかるのは予測していましたが、想像以上に時間がかかりました…。コーラスは部分的に20人近くのトラックがあり、さらにオーケストラも単独でレコーディングしていったので、トラック数の限界に挑んだ曲です。将来的には『劇場版イデオン』の『カンタータ・オルビス』のような超大作にも挑戦したいです。
とあるテレビアニメ用に作ったデモの中に存在していた楽曲です。その時点では曲自体が短く、歌詞も英語だったと思います。それを杉浦師は再構築し(大いなる野望があったと思われる)、「これに再度詞をつけるように」と渡されました。想像を絶するコーラス、人数の多さに唖然。歌詞を書き直し、何度もプリプロ(実際に歌ってみて感じを掴む作業)。「はい、次は男で」「はい、次は女性」「もっと勇ましく!」「もっと綺麗な人が歌ってる感じにできんかねキミ!」などなど指示を受けながら、自分でも各パートのキャラに名前をつけて「わかりました、『ファンファン』でいきます」「はい、『クリスティーナ』が歌います」などと、楽しい現場でした。試行錯誤の連発でしたが、いい思い出になりました。(CD版はさらに素敵な展開が入るようです。)

#018♪ファンファーレ 〜勝利ジングル/bpm140

目が覚めるような管楽器からイン。
穏やかなメロディラインへ変化するころには戦いの緊張感は新たな世界への希望へと変わるであろう。

この曲はレコーディング後半に書いた曲です。駆け上がるメロディで昇りつめた感を出しました。ディレクターからは「短めの曲で」というオファーでしたが、後半にダイナミックなメロを追加しました。しかし何度も聴くことになるので、飽きないようにシンプルなラインを心がけました。

#018♪ニ短調19番 〜敗北ジングル/bpm80

うなだれるようなピアノが奏でる、絶望感をシンプルに描いたメロディライン。これ以上の虚しさがあるだろうか。

勝利のテーマとは対照的に、駆け下りるマイナーのバロックスケールを使用しました。いろいろ考案しましたが、最終的にピアノ一本、ノークオンタイズ(手弾きのままの状態)にしました。
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