Talk w/z Takashi【3】

【3】音楽を発信し続けるためには

「あ、こういうことなんだ、音楽って」(Takashi)

miqui: (笑)え、じゃあ何で音楽やろうと思ったの!?
Takashi: これは、あんまり文字におこしちゃいけない話ですけど(【略】モデルをしていて、ひょんなきっかけでART±MODEを始めたというお話)「キミ明日レコード会社に来たまえ」って言われて「さあここにハンコを押したまえ」って言われたんで(笑)
miqui: じゃぁなんかこういうアーティストに憧れてとかっていうのもなくて…
Takashi: ない。
miqui: どちらかというと俳優とか、芝居をやりたかったとか?
Takashi: そうですね、芝居の勉強もしていましたしね。
miqui: へぇ~そうなんだ、じゃあたまたま…でも今でも音楽をやってるっていうのは何かがあるのかな?
Takashi: なんなんでしょうね。
miqui: ね!そこだよね。
Takashi: もう、ま、ある種、これも(文字にするのは)どうかと思いますけど、意地もありますよね。
sugiura: うーん、ああ…
miqui: うん、え、あ、でも音楽が好きだからでしょ?やっぱり。
Takashi: うん、好きだと思いますよ。変なこだわりも出てきちゃってるし、やれることも増えてきたっていうのもあって、そうすると自分が表現できるものっていうのが、音楽になったな、だんだん。
miqui: あー…
Takashi: しゃべんなくてもいいかなぁっていう気がしてきて、そのー…
miqui: 音楽をやれば、
Takashi: 音楽で発信する。
miqui: わかる、すごい!私もすごいね、苦手なのよ、コミュニケーションとかが、難しいじゃない?例えば言葉って、誤解されることが多いじゃない?
Takashi: そうですね。
miqui: ブログもそうだし、インターネットの世界でもそうだし、メールもそうだし…だから音楽の不思議な力みたいなのを信じてて、
Takashi: うん。
miqui: 音楽だったら一瞬で楽しむことも出来るし、伝わるものがいきなり伝わったりするじゃない?
Takashi: そう、例えばライブとか、アイドルとかでもそうなんですけど、ライブやって、目の前にいる100人のお客さんがいたとしたら、この人たちに「やあ、はじめまして!」ってその女の子が言った時に、多分100人とは会話は出来ないですよね。
miqui: うん。

Takashi: 色んな人がいて、色んなこう…クセのある人もいるだろうし、言語が違う人もいるかもしれないし、いろんな人がここに100人いて、でもこの人に「私がかわいい」ということを伝える術としては、この音楽一個あれば伝わるじゃないですか。
miqui: (息を吸い込む音)はっ!すごい!うん。
Takashi: だから、自分もそうだし、人がそれを演じることについても、なんかやってるうちに「あ、こういうことなんだ、音楽って」っていうふうにだんだん思ってきたので、音楽を続けてるんだと思いますね。
miqui: あーやっぱそこなんだよねー。わかるーすごく。
Takashi: そのために、「いい音源が」とか「色んなテクニックが」とかってことをやらざるを得なくなってるだけであって、音楽っていうものの根本は変わらないんですけど、まぁそれをより多くの人に聴いてもらったりとか、多くの人とコミュニケーションをとるために「音が良くないと聴いてもらえないんだ」とか、僕の場合特に「キャッチーじゃないと聴いてもらえない」って、ポップスという路線に行ったので、メロディラインの研究をしたりとか、そういうことをして、今に到ってる感じなんですよね、きっと。
miqui: なるほどねー。はぁ~そうなんだ~
Takashi: まぁそれでお金がついてくると、よりうれしいなと。
miqui: まぁね。そうだね。さらにそれで活動できるし。

「いや、働いてたって音楽やれんじゃないの?」って。(Takashi)

Takashi: だから、すごくこう…ギターをはじめ弾いて「オレ音楽すげー好きだぁ!」とか「こうなりたい!」っていうスタートラインじゃないんで、人と感覚が、スタートラインが違うんですね。
miqui: 面白い!
sugiura: なるほどな…
miqui: 音楽の力を知ってるんだよね、多分、身を持って。
Takashi: うーん。
miqui: 最初に音楽に魅了されたわけじゃなくて…自分がそれをやってみて初めて気付くことってすごく多いじゃない?
Takashi: そうですね。多分。
miqui: 多分。
Takashi: 多分。だって、ほんとに(ART±MODEに)入ったときなんて、よくわかんなかったですもん。ね?
sugiura: うーん、、、まぁ、、誰も分かってなかったよね?(笑)
Takashi・miqui: (笑)
Takashi: 誰も分かってなかったけど、いや、例えば、音楽を通ってきたことの無い、突然なんか「モデルやってました」みたいなよくわかんない兄ちゃんが来て、「さあ今日からキミたちART±MODEだ!」っていうことになって。
sugiura: ほんとそういう感じだったよね。
miqui: (笑)
sugiura: ほんとそんな感じ。
Takashi: よくわかんないけど「そういうことなんですか」みたいな…ことだったじゃないですか。
miqui: へぇ~、不思議…
Takashi: そこから今の自分を想像していなかったですね。その時は全然。
miqui: そうだよね、表現の一つだったわけだもんね。
sugiura: そうそう、スタートラインがそういうこういうバンドで、こういう音楽を作っていこうっていうスタンスありきだったんだよね。でも自発的に音楽を作っていくって、違うエナジーじゃん。
Takashi: そうですね。

sugiura: それを今でもちゃんと続けていられるっていうのは、やっぱモチベーションがないと出来ないと思うんだよね。そこがすごいなと思うよね。
Takashi: それがさっき、miquiさんが言ったみたいな、そういう「音楽の力みたいなもの」っていうのを、自分の中で信じたのかもしれないし、あとはさっきも言ってたけど「意地」っていうのもあって、なんか、周りの人たちも脱落していったりするし。
sugiura: そうだね。
miqui: うーん…
Takashi: で、なんだろうな、「サラリーマンになるから」とか「結婚するから」とか、音楽やめるっていうスタンスが割と多かったりするじゃないですか。
miqui: しますね。
Takashi: で、僕は「いや、働いてたって音楽やれんじゃないの?」って。
miqui: 思う!
Takashi: っていうことを思って、普段ネクタイ締めても、夜になったりとか、土日になれば、なんかステージに立つということをやったら面白いかなと思って。
miqui: うん。
Takashi: それでも続けたことになるんじゃないかな?って。
miqui: なるよ!全然ね?
Takashi: 思ったんですよね。そうしたらなんか、人に「曲を書いてくれ」って言われることになったりとか、なんかそういうことが徐々に徐々に増えていったっていう、
miqui: うんうんうん。
Takashi: 割とビジネスライクな頭に…普段ね、サラリーマンやってるから、ビジネスライクにモノを考えられるから、逆に企業との話とか、大人と話しが出来るようになったり、戦略ありきのことっていうのを、自分の中で組み立てられ、その中で自分がどう表現するんだろうな、とか、そういうことも割と考えられるようになったかなっていう…
sugiura: なるほどね。
Takashi: だからちょっと皆さんと成り立ちが違くて、おかしな方向からスタートしておかしな方向に流れていってるんですけど(笑)
miqui: (笑)
Takashi: (笑)でもその中で、やっぱり、勇紀(sugiura)さんみたいな、音をずーっと、こう一貫して自分の方向性とか、自分のやりたいことっていうのをやっていこうと思っている人は、逆に凄いなと思うし、憧れますね、それは。僕にはそれがやっぱりない。今「好きなことやっていいよ」って言われたら何やっていいか分からないですね。

【4】商業音楽家に好かれる理由へ続く…


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