Talk w/z フランク重虎(VALKILLY)&KIRIA【10】

【10】「自己表現」か「音楽ファン」か~吉幾三に学ぶ~

メジャーを追尾した、二次創作物というか、同人誌的なんですよね。(sugiura)

フランク重虎: 今年(2010年)はなんか、いい人に会う。きりんこ(KIRIA)とも今年…
miqui: あ!今年なんだ!?
KIRIA: 去年の5月に引越してきて…忙しくて全然…
sugiura: でも引越したっていうのはチャンスですよ。
KIRIA: そうですね。多分タイミングが良かったっていうのもあるんですよね。
sugiura: おそらく、都内近郊にいないと、絶対に発展しようがないということがあるんですよ。
KIRIA: そうなんですよ、ほんとに。
miqui: だから、(それ)私でしょ。その、音楽が無い世界に(いたから)…
KIRIA: 私九州なので、ゴシックなんて誰もしてないんですよ。なんかすごい白い目で見られるんですよね。
miqui: あ、「なんか変わってる子がいる」みたいな?
KIRIA: クラブでライブしたことがあって。ストリートしてるときに拾ってくれた方がいて。で、「KIRIAちゃん面白いから、やってみなよ!」って。で、レゲエの!アメリカのレゲエのシンガーの前座でやったときに、「コイツ、なに?」みたいな顔で見られて。
フランク重虎: よりにもよってレゲエかよ!っていう(笑)
KIRIA: そう。「私のやってるジャンルってこんなに需要少ないのかな」って思ったんですけど。
フランク重虎: そこでニッチを感じたわけね。
KIRIA: こっち来たら全然、確立されたアンダーグラウンドシーンとかがあって。こういう、好きなジャンルの人と出会えたりとかして。(東京に)出てきてよかったなって思いますね。
miqui: あるよね。ほんとに!
フランク重虎: 探そうと思うと、池袋サイバーとかに行くと、(音の系統が)近いのはいいんですけど、なんか違うんですよね(笑)
KIRIA: ヴィジュアル(系)とかそっちになっちゃって…
フランク重虎: 蛍光色過ぎちゃうんですよね。
miqui: あははは!(爆笑)
KIRIA: (笑)
フランク重虎: ありますよね。宇宙人過ぎちゃうんですよ。
sugiura: 本当に思うのが、みんな計算無く楽しめばいいのに!っていう。
フランク重虎: そうなんですよ!あまりにも服飾系と合体しすぎちゃって。
miqui: すっごいわかる…わかりやすい!その蛍光色過ぎるっていうの(笑)なるほどね。そのいい塩梅のところね!
フランク重虎: (ハインリヒの服見て)「黒い!」と思って(笑)
miqui: 黒いの大事!(笑)
KIRIA: ほんと黒いの大事!
miqui: 結構大事。
KIRIA: 毎日喪服みたいな格好してましたから。
miqui: そうなんだ(笑)
KIRIA: 黒いオーラとか大事です。
sugiura: やりたくてやっている人と、何かそこに思惑があってやってる人は違う。
フランク重虎: ヨコシマが見えるときがイヤですね。
sugiura: そういうのが…楽しんでやるというのが目的であればいいのになぁと思う。
KIRIA: 確かに、計算された感じはイヤですね。元々好きで始めたことだから…っていうのがありますよね。
sugiura: エレクトロのシーンが、いわゆるちょっと前のヴィジュアル系と同じような傾向があると思うんですよ。
フランク重虎: あぁ!はいはい。
sugiura: メジャーを追尾した、二次創作物というか、同人誌的なんですよね。
フランク重虎: そうなんですよね。まさにそうです。
KIRIA: 同人誌的(笑)すごく分かりやすい表現(笑)
miqui: (笑)
sugiura: だったらCapsuleでよくね?みたいな。
miqui: またその話だ。
フランク重虎: そうなんですよ。
sugiura: 好きだからモノを作り始めるのはいいけども、そこに独自の解釈があってもいいんじゃないかって思うんですよ。
KIRIA: あぁ。
miqui: +αの?
sugiura: うん。…いや、でも、やめよう。親父の説教くさい感じになってきた。
miqui: 老婆心(笑)
フランク重虎: でも中田ヤスタカのフォロワー的にやって音楽作ってる人とは、違うものがやっぱりありますよ。その、中田ヤスタカのほうがある意味もうちょい、それこそ前衛じゃないですけど、泥臭い部分があり…
sugiura: ありますよね。うん。なんていうのかな、パンキッシュですよね。
フランク重虎: そう!パンキッシュなんですよ。
miqui: ほんとそう。
フランク重虎: で、あれをフォローする人は、あれの「おしゃれな取り囲み」を憧れて作るヤツじゃないですか。
miqui: ファッション性がある。
フランク重虎: そのファッション性をやりたくて、音楽やってる感じ。
miqui: わかる。ピチカート(ファイブ)とかもそうですよね。
フランク重虎: そうなんですよ。そのおしゃれな位置にいる人たちの、m-floとかもそうなんですけど…表現悪いんですけど、ある意味すごい童貞くさいことをやってるんですよね。
miqui: あぁ。
KIRIA: 出た童貞(笑)
フランク重虎: テクノトロニックのフレーズもってきちゃったりとか。なんかそのやんちゃさはあるんです。パンクな部分が。それが、フォロワーとは違う部分。
miqui: なるほどなぁ。
sugiura: ありますね。
フランク重虎: そこを、見つめてないんですね。
sugiura: 大事な、大事な話でした、今。本当にそうだと思う。
miqui: 太字で書きたいところでしょ。
KIRIA: 太字で(笑)
sugiura: ほんとにそうだと思う。

中田ヤスタカとか、体操着でやってもあの音出すと思うんですよ。(フランク重虎)

フランク重虎: だから、見てる軸がちょっとズレてるんですよ。
sugiura: そうですね。ヴィジュアルの小屋とか観にいくと、それが出来ているバンドと、追尾してるバンドがすごく明確なんですよ。ようするに、「自分の自己表現としてやってる」のか、「バンドのファン」なのかっていう。
KIRIA・miqui: あぁ~
フランク重虎: そうなんですよ。フォロワーには、音楽上の美学がないんですよね。様式美的なものは、そっくりそのままコピーするんですけど。多分、中田ヤスタカとか、体操着でやってもあの音出すと思うんですよ。
KIRIA・miqui: (笑)
miqui: 体操着!(笑)
フランク重虎: ニッカポッカでもあのサウンド出せると思う。
sugiura: 確かに。
フランク重虎: フォロワーにはその音出せないと思うんですよ。ニッカポッカ着たら、ニッカポッカの音が多分出るんだと思う。
sugiura: 確かに確かに(笑)ボイスはもちろん吉幾三。
miqui: またちょっとちがっ…(笑)
sugiura: いや、やりかねないですよね!
miqui: 幾三が?
フランク重虎: 吉幾三にオートチューンかけたら面白くないですか?(笑)
sugiura: そうそう。彼はそういう需要があると思うんですよ。
KIRIA: (笑)
miqui: 吉幾三はヤバイ。
フランク重虎: 「酒よ」とか、かなりオートチューンかけたらヤバイ(笑)
sugiura: いい感じにケロってる。
フランク重虎: にごりざケ~~~~♪みたいな
miqui: オートチューンってあれか!(笑)
フランク重虎: ケロケロなるやつ。
sugiura: ボーカロイドにすべきですよ。
全員: (笑)
フランク重虎: 「がくっぽいど」とかあるじゃないですか。「吉っぽいど」とか(笑)
KIRIA: やだー!(笑)
フランク重虎: 吉幾三っぽいやつ(笑)
KIRIA: 「がくっぽいど」より売れるかもしれない(笑)
フランク重虎: 「吉っぽいど」
sugiura: 絶対需要ある。オレが買うもん。
全員: (笑)
フランク重虎: いい感じのなまりとかも再現。
全員: (笑)
フランク重虎: やっぱ、デモ曲で「ドリーム」とか入ってるんですよね。
全員: (笑)
sugiura: これが、こんな感じにケロります。
フランク重虎: ワークマンの曲と。
全員: …(笑)
フランク重虎: でもほんと、そういうパンクさは欲しいですよね。…「吉っぽいど」のジャケットは、やっぱりあのティアドロップかけてるんですよね。
miqui: ティアドロップ(笑)
フランク重虎: はっぴ着て。
sugiura: はっぴ着て(笑)
フランク重虎: コマ劇行ったんですよ。吉幾三の。ほんとに(僕)ファンなんですよ。
KIRIA: えーっ!マジで?
フランク重虎: 2回公演行ったんですよ。
miqui・sugiura: へぇ~!
sugiura: あの、ヘルメットが、限定グッズだったら間違いなく買うなぁ。
フランク重虎: わ、ワークマンの(笑)
sugiura: 「吉」って書いてあるやつ。
KIRIA: ニコ動で超流れてる。
sugiura: あれは商品化するべきだと思うんだよな。
フランク重虎: ストラップ買ったんですけど…携帯の。
全員: (笑)
KIRIA: まじで!?
フランク重虎: やっぱり「吉」って書いてありました。
sugiura: やっぱり。
フランク重虎: メタルで表裏あるんですけど…
sugiura: メタル!?(笑)
フランク重虎: メタルが彫ってあるんですよ、レーザーで。表面が完全に「吉」って書いてあって、裏面が筆記体で「Yoshi」って書いてあるの。
sugiura: わ、わかってますよね。確信犯ですよね(笑)
フランク重虎: それで、800円もするんですよ(笑)
KIRIA: わぁ高い!(笑)
フランク重虎: たっけぇ!とか思って(笑)
sugiura: まちがいなくわかってやってる(笑)
フランク重虎: 確信犯なんですよ。
sugiura: 確信犯。ローマ字はずるい。
フランク重虎: ある程度自分が面白いってことを知っている(笑)
sugiura: わかってますね(笑)
フランク重虎: 自分を、もう斜めから見れるっていう。ずるいですよ。
KIRIA: よくわかってる。自分を。
sugiura: (X JAPANの)Toshiとかと(ローマ字の綴りが)似てるっちゃ似てる。
フランク重虎: ここら辺で何か商売始めたらみんな笑うかな?とか、ちょっと思ってるっていう。
KIRIA: (笑)
フランク重虎: 宗教でもやってみっかな?みたいな。
KIRIA: 宗教?
miqui: (笑)
sugiura: そうそうそうそう(笑)
フランク重虎: これやったらちょっと面白がるかな?っていうのが、ちょっと分かっちゃってる。そして、やる勇気。
sugiura: ほんとにね。そういう…なんかかぶるなぁ。
フランク重虎: どっかでウケるかな?って思ってるのが、ずるいですよね。
sugiura: ずるい(笑)
フランク重虎: 芸人じゃないんだから(笑)
KIRIA: やるところ間違えてる(笑)
フランク重虎: そうそう(笑)

「面白い!」と思ったら、いい意味で自分を捨てることができたら(フランク重虎)

sugiura: まぁ、人がいいんでしょうね。すごい借金をしてるところから、もう。
フランク重虎: そこでも、やっぱりサービス精神が。誰か、見てくれるっていう。
sugiura: 人が良くなかったら、借金もしないでしょう。
フランク重虎: ですよね。もっとガチに金のことしか考えてないでしょう。
sugiura: 悪人だったらね。*****だったらね。
フランク重虎: ですね。
miqui: (笑)
フランク重虎: エンターティナーですよね。
sugiura: 日本のマイケルジャクソンと言っても過言ではない。
フランク重虎: 「武士は食わねど、高楊枝」っていうのが、ほんとそのまんまな感じですよね。吉幾三は一時期…
KIRIA: 吉幾三好き過ぎる(笑)
フランク重虎: 吉幾三はイギリスに音楽の修行に行ったことがあるんですよ。で、それが、あれが…5年前くらいですかね。で、ライブを観にいった時に、吉幾三が最後のアナウンスで、「えー、実は来年一年間、イギリスのほうに音楽の修行に行ってきます」って。で、なんの修行に行ったのかな?って思ったら、HipHopの修行に行ったっていう。
全員: (爆笑)
miqui: なっ、なんでなんで?!
フランク重虎: 「オラ東京さいくだ」ってあるじゃないですか。あれって、
miqui: Rap?
フランク重虎: Rapだったじゃないですか。喫茶店で吉幾三がだべってたときに、その店内の放送で、Rapがかかったんですって。多分ランディMCとかその辺だと思うんですけど。それで、「あ、これは新しいな!」と思って。メロディがまず無いっていうので、すごい衝撃受けて。で、もともと演歌で出ようとしてたんだけども、いきなりRapでメジャーデビューしようって決めたところが、ほんとパンク。っていう。
miqui: すごい!
フランク重虎: そのあと演歌歌手に転換して、そしらぬ顔でそのまま演歌歌ってるっていう。
全員: (笑)
KIRIA: 何事もなかったかのように。
フランク重虎: 何事もなかったように(笑)
sugiura: 雪国。
miqui: すーごい!
フランク重虎: それでも同じアーティスト名だっていう。ちょっとカッコイイですよね。で、またそういう勢いで、イギリスに行っちゃったんでしょうね。なにか新しいの取り入れようって思って。HipHopとジャズを勉強しに行ったらしいんですけど。
miqui: すごいなぁ。
sugiura: そこもわかってるなぁ。
フランク重虎: あの歳で!っていうのがすごいですよね。
KIRIA: 柔軟すぎる。
miqui: すごいなぁ。
フランク重虎: かと思ったら、バカ殿とか出て。フルチンになったりするじゃないですか。あんなに大物なのに。そこら辺のかっこよさもありますよね。
sugiura: ありますね。
miqui: パンクなんだな。
フランク重虎: あの歳でTVの仕事もらって、桶で前隠すっていうのはやらないでしょ。でも「それやったらちょっと面白いだろうな」って思ってやっちゃうんでしょうね。人にウケるために、自分を捨てられるのは、すごい。サービス精神が。
sugiura: 恐れてないですよね。
フランク重虎: 恐れてないですよ。そういう意味で僕も「面白い!」と思ったら、いい意味で自分を捨てることができたらな…というのはほんと勉強になりましたね。
sugiura: …いい話でした!
miqui: すごいいい話!
KIRIA: 色々訊けてよかったです。
sugiura: ありがとうございます。
フランク重虎: かなり脱線もしましたが(笑)

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