Talk w/z フランク重虎(VALKILLY)&KIRIA【7】

【7】ファイルフォーマット談義・KIRIAの宅録伝説

…やっぱり作ったときの音で聴いてもらいたいなって思うのはある。(sugiura)

sugiura: …結局mp3で、標準化されているっていう気配がなんとなくあるじゃないですか、最近は。それ作ってる側からすると、ものすごく…ここピーだけど…侮辱ですよね。
KIRIA: (笑)
フランク重虎: そうですね。「便利」という一言で片付けられてるというのはある。
sugiura: 確かに自分も、そのくらい(データが圧縮されて)軽いと楽だから、いっぱい(プレイヤーに)入れられるからという理由で使うけれども、なんていうのかな…やっぱり作ったときの音で聴いてもらいたいなって思うのはある。
KIRIA: あぁ。
フランク重虎: ありますね。
sugiura: だから、AIFF(非圧縮音源)が「軽い」という認識になっていけばいいんじゃないかなって思う。
フランク重虎: まぁそうですね。今は確かに光回線とか、回線が早くなってきてるじゃないですか。WEBでブン流してもいいんじゃないか?っていう気がしますよね。
miqui: あぁ、そっかぁ。
フランク重虎: 今50MBだって普通に5~6秒で落ちるじゃないですか、光回線だと。もう全然mp3じゃなくていいんじゃね?っていう。あとハードディスクも何teraとかになってるじゃないですか。だから容量も全然セーブする必要ないですし。
sugiura: したらドラマーの人とか、すごく気になるんじゃないのかな。
フランク重虎: 絶対なりますよ。特に、ダイナミクスが欲しい楽器の人は。
sugiura: 音効の人は、やっぱりあのハイハットの劣化の仕方は半端ないですからね。
miqui: そこだぁ!
フランク重虎: そうなんですよ!mp3の…あのブロックになっちゃう感じですよね。シャワシャワしちゃう感じ。
KIRIA: あぁ、してると思う!
miqui: Myspaceに上げたときにショックを受けたもん。(ハインリヒのMyspaceはこちら
フランク重虎: Myspaceって、昔ほんとにヒドかったですよね。もう金物(かなもの)は全滅でしたね。
miqui: ほんとに!今うちが上げてる音源も、もっと…おっきいままで上げておけばよかった。ちょっと圧縮しすぎたのかな?と思って。
フランク重虎: Soundcloudっていうところは割と音いいんですけどね。
miqui: ああ!
sugiura: 結構ソース公開とかもやってるんですか?
フランク重虎: 色々公開してますよ。
sugiura: へぇ、そうなんだ!そういうこともやったほうがいいのかな。
miqui: (sugiuraが)Soundcloud知らなくて。皆さんやってるじゃないですか。それで最近ちょうど話していたんですよ。(ハインリヒのSoundcloudはこちら
フランク重虎: でもあれを始めたのは、Myspaceに、あのリンクを貼りまして。Myspaceよりいい音で聴いてほしいな!ということなんですよ。
miqui: なるほどね!
フランク重虎: それだけのために始めて。Myspaceの音はほんとヒドかったですよね。
miqui: だって別物だもん!
フランク重虎: ですよね。RealAudioかと思いましたもん。
全員: (笑)
miqui: だから、そこまで圧縮されることを考えて作らなきゃいけないのかな!?みたいな。
フランク重虎: いや、でもそうだったんですよ。Highは、7kから先を切らなきゃいけなかったんですよ。7kからローパスかけなきゃ、変わっちゃって。結構下でしたね、7kって言ったら。

ローパス:フィルター(音作りのために使用する、特定の周波数をカット・ブーストする機器や機能)の一種。カットオフ周波数(フィルターのきき始める周波数)より低い周波数はそのまま通し、それより高い周波数は減衰させること。

sugiura: 結構…そうですね。もう女の子モノのボーカルとか言ったら、かぶってるところですもんね。
フランク重虎: そうなんですよ。もうボーカルの空気感とかぶるところなんですよね。…それもちょっと反省したらしく、Myspaceも新しくなったみたいですけどね。
miqui: そうなんだ。
フランク重虎: ある意味あの音質だから、本チャンを買ってもらえるということにもなりますけどね。
miqui: でもね!
フランク重虎: でも!これ聴いて「ヤダ」と思われたら…
miqui: そう!そこなんですよ。いっつも言われるのが「もったいない!」って…「その(Myspaceの)音源もう変えたほうがいいよ」って。他のを(アップして)流すとか。
フランク重虎: 試食でマズイやつ出すみたいなもんですよね。
miqui: そう。
sugiura: なるほどなるほど。
KIRIA: あ~。すでにライブとかで聴いてくれてる人はいいですけどね。
miqui: そこから入ってくる人は…
KIRIA: 「こんなもんか」って!
フランク重虎: あと、(音楽)やってる人はある程度「このくらいの音質で聞かせてるだろう」っていうのが頭で補正がきくじゃないですか。それが(リスナーは)きかないんですよね。
sugiura: 確かに。
miqui: その印象になっちゃうから、やっぱり。言われたなぁ…
フランク重虎: ありますね。
miqui: そこまで計算しなきゃいけないのか!と思って。大変なんだな、これからの時代と思って。mp3になったときのことを想定して、やらなきゃいけないのかなと。
sugiura: いや…ここ2作品は、マスタリングのことを一回考えるのをやめて、とにかく気に入った音色だけを録っていこうということを実験的にやってるんですよ。
フランク重虎: あぁ。

こんなに若い子が、それ使ってたら萌えるじゃないですか(笑)(フランク重虎)

sugiura: つまりマスタリングというか、最終的に公開するときのファイルの感じをイメージすると、妥協が出てきちゃうんですね。「これは邪魔になるだろうな」というのがあらかじめ分かってるじゃないですか。でもそれだと、キモチで作れない部分がどうしても出てきちゃって。やってる側としては、モチベーションを保つのが大変になってきちゃって。
フランク重虎: なんか、音楽の専門学校生と最近話すことがあったんですけど、学校でもそうやって教えてるらしいんですよ。ある程度、マスタリングを想定した感じでトラックダウンしろというので。つまり、削れるところは削れるというのを見極めた上で、やると。なんかもう、そういう見せ方になっているというところで違うかなっていうのは…
sugiura: 確かに。カッコイイと自分が思える2ミックスがありきじゃないと、なんていうのかな…もう、違うんですよね。自分が思っていたものと違うものになっちゃうので。だから逆にそういうマスタリングとか2ミックスにするというときは、脳を切り替えるというか。そこまでは楽しく作って…
フランク重虎: もうファイルフォーマットには媚びる以外ないですよ。不可抗力ですもんね。
sugiura: そうなんですよね。とりわけね、音圧上げた時の音の飛び出し具合というか、あそこらへんは…やってる人間じゃなきゃわからないですよね。
フランク重虎: そこで来年「モノラル革命」ですよ!
全員: (笑)
sugiura: そこだ!そこで戻るんだ!
フランク重虎: 戻るんですよ!ここにパイオニア(KIRIA)がいるから!
KIRIA: モノラルでマスタリングします!(笑)
sugiura: モノラルで!
フランク重虎: モノラルの女流エンジニア!エンジニアの新しい時代は…
sugiura: 即行にサンレコあたりには間違いなく載りますね。
フランク重虎: 載ります載ります。
miqui: さ、サンレコ(笑)
KIRIA: 特集に「モノラル革命!」みたいな(笑)
sugiura: 4ページくらいはいけます。
フランク重虎: 今まで(ステレオを)知らなかったということを全部隠して、「ステレオのデメリットは…」みたいなところから…
KIRIA: あ、PAN振りとか知らなかったのを無しで「わざとモノラルやってたんですよ」と(笑)「モノラル革命の先駆け」と(笑)
フランク重虎: 「以前からステレオには疑問を抱いていて…」(笑)
KIRIA: 「ステレオに頼ってる!」みたいな(笑)
フランク重虎: 「あれはスイートスポットやヘッドフォンでないと意味がない」と言って。

スイートスポット:音を正確に聞き取れる場所のこと。2つのスピーカーと自分の頭の3点が正三角形、または、もう少しスピーカーとの距離を長めに取った場所であることが多いらしい。

全員: (笑)
sugiura: いや、でもそれはすごいっすよ。デジタルに対する挑戦状ですよ。
KIRIA: 自分の無知さに笑いましたもん(笑)
sugiura: あまり言えないけど、***に対する挑戦状!みたいな。
フランク重虎: かなりのレボリューション(笑)
KIRIA: 今日の同期のやつもモノラルで流しましたからね(笑)
miqui: そうなんだ!
KIRIA: もうモノラルでいいですって。めんどくさがりなんで、一個にまとめたいっていう(笑)
sugiura: 今日のシーケンサーは何使ってるの?
フランク重虎: あれ、acidです。
KIRIA: そう、acidで…
フランク重虎: というのも、パソコンがですね…
KIRIA: ゴミすぎて(笑)
フランク重虎: (笑)家にあったパソコンが、ほんと、ゴミ(笑)オフィスの近くの粗大ゴミに落ちてるような。
KIRIA: ほんと!あのXP出たてのときのノーパソ(ノートPC)だったので。インターネットつないだだけで落ちてたんですよ。そのぐらい重くて。
sugiura: なるほど。
KIRIA: それを初期化してもらって、どうにか軽くて動くヤツに。
フランク重虎: もう限界までOSチューニングしまして。
sugiura: インターフェイスはつけてるんですか?
フランク重虎: つけてます。
KIRIA: ついてますね。
フランク重虎: acidでしか動かなかったっていう。
KIRIA: 他のやろうとしたら弊害が出てきて。
miqui: そっかそっか。へぇ。
フランク重虎: 結構ね、ギャンブルみたいな状態で。いつ止まるかわからない。
KIRIA: そのぐらいヤバかったですよ。
フランク重虎: どのくらいそのパソコンの性能が悪いかっていいますと、ネットブックってあるじゃないですか。よく100円とかで「イーモバイルと一緒に!」みたいな感じの。あれよりか全然性能悪いんですよ。
sugiura: あー。
フランク重虎: (笑)
miqui: へぇ。
フランク重虎: で、こんなでかい!っていう。こんなに若い子が、それ使ってたら萌えるじゃないですか(笑)
全員: (笑)
miqui: そこだ!(笑)
KIRIA: まさかのそこだ!みたいな(笑)
フランク重虎: さっきの「シンセサイザー」みたいな要素で(笑)
sugiura: わからない、っていうのがいいんですよ。いい意味で。
フランク重虎: ズルイところなんですよ(笑)

こんなの(インカムのジェスチャー)で録ってたんですよ。(KIRIA)

KIRIA: もう無知すぎて(笑)ほんとにだめなんですね。オーディオインターフェイスも知らなかったですから。
sugiura: でもオレもしばらく使っていない時期があって。まだMacの…Power BookのG3の頃に、USBだとどうしても…かなり遅れたじゃないですか。
フランク重虎: そうなんですよ!レイテンシーがデカイんですよ。Firewireでないと。
sugiura: めっちゃデカかったんで。もうそのときは、インプットアウトプット使いまくりでしたね。
KIRIA・フランク重虎: あぁ。
sugiura: 直接結構録ってて。
KIRIA: え、それはもう直接パソコンにつないで…?
sugiura: そうです、そうです。
KIRIA: あ、(私も)やってました(笑)ジャック切り替えて強引にやってました。ボーカルレコーディングはスカイプのヘッドフォンとかでやってましたから。
miqui: へぇ!すごい!
KIRIA: こんなの(インカムのジェスチャー)で録ってたんですよ。
フランク重虎: こんなんで。TMネットワークかっ!?っていう(笑)
sugiura・miqui: (笑)
sugiura: カッコイイ!(笑)
KIRIA: ほんとにもう…
フランク重虎: なにかといいストーリー持ってますよね(笑)
KIRIA: しかも、その機材の使い方が分からないし、ソフトも持ってなかったので。あの…Audacityだったんですよ。
フランク重虎: Audacityって、フリーの波形ソフトがあるんですよ。
KIRIA: あれでやって最初のCD出したんですよ。
miqui: すごーい!
フランク重虎: 衝撃だよね。
KIRIA: 別録りも知らなかったんですよ。ギターとボーカルの。だからマイクをここ(目の前)に置いて、一緒に歌いながらやって(笑)
フランク重虎: 多重録音を知らなかったんです。
KIRIA: そうなんですよ!(笑)
miqui: へぇ!
KIRIA: だから、もう間違えたら、編集も分からないから、もう一回最初から一本録りみたいな(笑)
miqui: すごい!なんかノスタルジックな…sugiuraが幼い頃にやっていたような…デモテープ送って、チューニングが合ってないって言われたんだよね?(笑)
sugiura: そうそう。中学生か高校1年生のときに…

【8】バブル時代、その時sugiuraは・『巻戻し』って何を巻くの?へ続く…2011/8/6公開予定


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